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 予防歯科 矢口歯科医院の先生が気が向いた時に更新するひとりごとです。

日付の新しい順に並んでいます。
2007.07.28  すめる、すめる、すめる

最近、娘にくさいと言われます。
「かれーしゅう」なんでしょうね。
むかし親父の枕からしていた「におい」なんでしょうね。
テレビでもでも「かれーしゅう」をマスクする製品のCMが流れてたりします。

最近、歯科では「自臭症」とされる人が多くなっているようです。
これは客観的に不快な匂いが感じられないにもかかわらず
「自分の口臭が周りを不快にしているのでは」と感じて精神的に不安定でいる状態です。
歯周病、虫歯、不衛生な口腔状態、その他の病気が原因のモノならば改善が必要です。
しかし生理的な口臭というモノもあり、
私たちが生命活動をしている以上抹殺する事は不可能です。
口臭は主に細菌の活動によって生まれます。
朝起きた直後のお口の中は細菌が最も多いので口臭が強いですし、
空腹時のハンガーブレスと呼ばれるモノや、
緊張した時には唾液分泌が少なくなり口臭が強くなります。
口臭は我々と共生している細菌との関係が大きいですが、
腸内細菌や病原菌のバリヤになってくれる菌によって守られているので、
我々の体内から細菌を抹殺することは生命活動の停止を意味します。
通常、細菌は繁殖しても唾液で流され胃で消化されてしまいますが、
唾液の分泌が少なくなると、
その働きが低下してしまうので細菌の数が多くなり口臭が強くなります。

最近、食べ物屋さんから出た後の自分の服のにおいが気になります。
揚げ物の油のにおいなのでしょう。
においを感じるセンサーが警察犬並みになったんでしょう。
韓国の焼肉店では服の消臭スプレーを置き始めたと聞きました。

何なんでしょうね。
自分も含めてだんだんとにおいに不寛容になってゆく気がします。
時代の空気がにおいだけじゃなく「自分以外のもの」について不寛容になっているような。

そもそも「かれーしゅう」じゃなく「大人のにおい」でした。
「かれーしゅう」とネーミングされたとたんネガティブなイメージが確定しちゃいました。
そしたらそのための商品のマーケットまで出来ちゃいました。
昔は「かれーしゅう」も「生理的口臭」も「揚げ物のにおい」も
生活の中の様々なシーンをを彩ってたんじゃないでしょうか。
バキュームカーのニオイはさすがにアレでしたが、
においの多くは今ほど嫌悪されていなかったと思います。
「いい匂い」と「悪い臭い」の二極化になってきているような気がします。

結局我々が「快適さ」を追い求め続けてきた結果でしょうか。
快適を損なう要素を見つけては排除を繰り返して、
清潔志向も手伝って、
無意味な全方向への無菌志向、
それが経済効果を生み、
私たちは意識誘導されていないか?
除菌商品、
魔女狩り、
強迫観念・・・

無限ループにおちいりそうなので、もういいんじゃないかなー
ここら辺で寛容さを取り戻さなくっちゃ
ちょっとくらい「くさいモノ」があってもいーじゃないすか

オヤジにはオヤジのにおいがあって。
ちょっと口臭があったって、
体臭が香ばしくたって、
いいじゃないか人間だもの(盗作注意)

僕は親父のにおいが嫌いでは無かったです。
安心感を感じました。
親父が交通事故で死んで6年が経とうとしていますが、
未だに部屋には親父の「かれーしゅー」の残り香があります。
くさいと言いつつ、
においを嗅ぐ娘が同じような事を感じてくれてればいいなと思います。

2007.07.16  北海道予防歯科臨床懇話会に行ってきました

7月14、15日と帯広の例会にスタッフと共に出席してきました。
毎年、北海道内を会員の持ち回りで開催されるのですが、今年は帯広ブロックが当番でした。ヨリタ歯科医院(東大阪市)、いさはや歯科医院(高崎市)、康本歯科クリニック(柏市)、文の里歯科クリニック(大阪府)以上ヘルスプロモーション型歯科医院(来院された人の健康的な自立を支援する歯科医院)の最前線にいる4名の先生方がゲストで熱く臨床に対する想いを語ってくれました。僕もスタッフも大いに触発されました。
会員の発表も熱がこもっていて充実した2日間でした。
帰りは鹿が飛び出して来てあわや激突寸前!で白髪が数本増加しましたが、車の中で「これからの矢口歯科医院」について熱く語りながら帰って来ました。

北海道予防歯科臨床懇話会のHP 〜 http://www.oral-health.info/


2007.07.05  健康と美

矢口歯科医院で予防歯科を始めて4年が経ちました。
この4年間で大勢の方にメンテナンスで予防管理型の歯科医院の利用をしていただきました。
でもまだ「悪くなるのを待って治療」と言う意識が根強いようです。
この4年間で変化があった事としては、僕が○○して××になった事とフィットネスジムに通うようになったことです(結構ハマってます)。
ジムに行くと幅広い年齢の方が大勢いらしていて、世の中確実に健康志向だなと実感します。「ビリーズ・ブート・キャンプ」のブームもその一つなのでしょう。「健康と美」に投資する人達は急増しています。そのような方にぜひ予防歯科を利用していただきたいと思います。成人病と歯周病も密接な関係がある事がわかっている現在「悪くなるのを待って治療」ではなく「悪くならないよう定期予防管理」が正解です。

2007.07.02  お久しぶりです

ボーっとしていたら3年4ヶ月も経っていました。
もとから文章が苦手で筆不精なのですが・・・ほどがありますよね。
すいませんっ!
これからはバリバリ更新して・・・いけるのでしょうか?(オイ!)

2004.03.19  私が予防に目覚めた理由 其の三

今まで「虫歯」との直接対決は無かったのです。 僕が見ていた、そして目の敵にしていた「虫歯の穴」は実は「虫歯」ではなかったのです。
 と言うと「気が狂った!」と思われるかも知れませんが、「虫歯の穴」は「できてしまった虫歯の穴」であって、結果でしかないと言う事です。
「できてしまった虫歯の穴」を削って詰めたり被せたりしてもそれは単なる「後始末」でしかないのです。 虫歯の穴を治す事は対症療法であり、まだ原因はそのままなのです。
ですから「虫歯との本当の直接対決」は虫歯の穴が出来ないようにする事、つまり「虫歯予防」だったのです。 「虫歯は元からたたなきゃダメ」と言う事です。
それに気がついた時、今までのモヤモヤが解消された気がしました。
 今まで僕のしてきたことは全身疾患に例えれば、「発病してから来院してもらって壊死した手足を切除して(虫歯を抜いて)義手義足(入れ歯)を装着させていたようなもの」と言えるでしょう。
機能回復の為すぐれた義手義足は重要ですが、その前に発病予防の視点が僕には欠落していたのです。 

蛇足ですが・・・
熱く「予防歯科こそ本道!」みたいに語ってしまいましたが、「できてしまった虫歯の穴を治療する事」は機能や審美的回復にとって絶対必要な事です。「治療」と「予防(健康づくり)」はよく言われるように両輪です。ただ重要な事は「目の前の虫歯の穴のみに目を奪われてはいけない」という事です。「虫歯の穴」はただの結果であり、重要なのはそこに至った経過自体です。予防歯科は虫歯を現象の経過として捉え、その経過自体に介入する事が重要だと学びました。

2004.03.06  私が予防に目覚めた理由 其の二

Fさんの件から2年ほどたったある日のセミナーでフリーランスの歯科衛生士Yさんとお話をする機会がありました。
「予防歯科は患者さんに喜ばれるので楽しいですよ、治療じゃないので皆さん楽しみにして来られますから」そのときのYさんの言葉が鮮烈に心に響きました。 すでにYさんはいくつかの予防歯科の立ち上げに関わっていました。

「予防歯科という方向があったか!」
いままで予防処置をしてなかったわけではありません。歯ブラシ指導、フッ素塗布、シーラント等、希望される患者さんには行なっていました。
でも医院自体の性格は、虫歯が出来てからの「治療中心の歯科医院」でした。そこで「好かれる歯科医=予防歯科」にシフトすべく勉強をはじめました。そうしたら気が付きました。
より良い入れ歯、より良いブリッジ、より良いクラウン、より良いインプラント、より良い詰め物、より良い神経の治療・・・。これらが患者さんを虫歯から救う道と確信して、関係書籍を読み、セミナーや講演会に出席し、長い間勉強を重ねてきました。
憎っくき虫歯の穴や歯の抜けた空間をお口の中から抹殺するべく、クラウン、ブリッジ、入れ歯で埋めて出来上がった鉄壁のお口の中、それが仕事上の満足でした。
しかしそれら努力と時間の結晶はFさんのケースの様にアッと言う間に崩壊してしまいした。

今まで歯科医師として虫歯と真っ向から戦ってきたつもりでした。
でもそれは錯覚だった事に気が付きました。

2004.02.16  私が予防に目覚めた理由 其の一

 「ウフッ、だってわたし歯医者が大っ嫌いなんですぅ」と、とびっきりの笑顔で言われてしまいました。

 以前の職場での話です。Fさん(美人)は数年前に治療を全部終了して、ニコニコ笑顔で帰っていった方でした。僕も無痛で苦痛の無い様に気を使い、苦労したけど良い仕事が出来たなーと思って印象に残っていた方でした。

 ところがしばらくぶりに来院され、お口の中をのぞいてみると治療を行なった脇から大きな虫歯が数ヶ所に見受けられ・・・。
「どーしてこんなになるまで我慢したのですか?」とお聞きすると冒頭の答えが帰ってきました。

 「ガーン!」頭が思考停止状態になってものすごく落ち込みました。だって治療が終わった時にあんなに喜んで帰っていったのに・・・。治療終了時の健康な状態をずうっと維持しているものだと思ったのに・・・。それが歯医者を嫌いという理由でこんな事になるなんて・・・。

 「歯医者が嫌い」よく聞かされた言葉です。初対面の人と会話していて僕の職業がわかると必ずといっていいほど言われました。子供は怯えました。 相手に悪意が無い事は承知の上ですが、歯科医になって十数年ボディブローのようにじわじわと効いてきました。
 歯科医は「どんなに頑張っても患者さんに好きになってもらえない仕事」である事がわかりました。

 しかし本当は「どんなに治療だけを頑張っても」という事だったのですが、その時はまだ気づいていませんでした。

2003.12.13  当医院のHP開設!

ホームページを開設いたしました。これから少しづつ増やしていく予定ですので、たまにお立ち寄りください。よろしくお願いいたします。